政府の携帯値下げ指示で携帯代は安くなるのか?2016年春から適用

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2015年9月11日。
安倍首相が、スマホ通信料の値下げを検討するように指示を出しました。
毎月の携帯料金が高すぎるや、同じ端末を長く使っていても割引されないといった現状の不満を解消しようという試みです。

総務省の施策が適用されるのは2016年の春からの予定です。はたして携帯代は安くなるのでしょうか。

現状の問題点を整理する

買い換えるほどお得になる問題

同じ携帯端末を長く使う人よりも、2年ごとに買い換える人のほうが割引されるのが現状です。

MNP(番号ポータビリティ)制度を申請し、電話番号を変えずにキャリア(ドコモやAu)だけを変える人は2年ごとに2万円~10万円のキャッシュバックを受けています。

一方、ずっと同じ端末を使う人はキャッシュバックを受け取れません。
新しい端末を使えず、さらに値引きも受けられない……。
悲惨な状況ですね。

最低料金が高すぎる問題

通信料金プランの分け方についての問題です。
たとえばAuのプラン。基本的に5,700円で7ギガバイトの通信が使い放題のプランに加入することになります。

スマホではメールしかしないから7ギガも必要ない! という人でも一律で5,700円がかかってしまうのです。

解決するには?

買い替えのキャッシュバックをなくし、新規端末の値段をアップ!
その代わり、毎月の通信料金を引き下げて同じ端末を使う人を優遇!

通信は7ギガではなく100メガでいいから安いプランを!
100メガ以上使ったときは従量課金するから、使い放題をやめたい!

……なんて言われています。

値下げ実施で想定される悪い影響

上記を実施すると一部の人の携帯料金は下がりますが、悪い影響が出ることも想定されます。

スマホは常に通信をしている

スマートフォンは携帯に触っていないときでも常に通信をしています。日々セキュリティを強化して、バージョンアップをするためです。

では、iPhoneでiOS8のバージョンから、iOS9のバージョンへアップデートするとき、どれくらい通信があるでしょうか。

答えは1.5ギガバイト(1,500メガバイト)です。

100メガのプランだと足りないですね……。
ガラケーの時代には、「パケ死」(通信をし過ぎて通信料が高額になる問題)がありました。

使い放題プランを使わず、従量課金プランにするとパケ死が起こります。

1.5ギガバイトは、13,000,000パケットに相当します。
Docomoの使い放題プランに入らない場合、請求額は2,600,000円です。(パケット換算サイトから引用)

これを防ぐために各キャリアが使い放題サービスを展開しているのに、従量課金にするのは本末転倒です。

もし安いプランが発表されたとしても、スマホは常に通信をしていることを理解した上で契約してください。

スマホの発展が遅れる

アプリを落としたけど端末が古いから動かなかった! なんてことがあるように、スマホアプリは端末によっては動作が保証されていません。

アプリの内部で行う計算(画面の描画処理を含む)に、対応した性能を持っていないと動かないわけです。

スマホ用アプリ開発の流れの一部を紹介します。

1.アプリのコンセプトを決める
2.アプリ利用者のターゲットを絞る
3.対応端末を決める
そのアプリを動かすのにどれくらいの性能が必要なのかを考えて、対応端末を決めます。

でももし端末の普及率が低いと、開発しても利用する人が限られてしまいます。
普及率が以下の内訳だったとしましょう。

最新機種:10%
ひとつ前の機種:70%
とても古い機種:20%

最新機種だけでは利用者が少ないので、アプリを貧相にして、ひとつ前の機種にも対応します。
そうすることで80%の端末に対してマーケティングを仕掛けられます。

とても古い機種を使う20%のユーザーは切り捨てます。
20%に合わせるとアプリが貧相になりすぎて、使われないからです。

このように、アプリ開発の際にはどこまで古い端末をサポートするか決めます。

※上記は極端な一例ですが、対応端末の仕様決め自体はどこのアプリ開発でも行われています

新規端末の値段が上がり、皆が古い端末を使うと?

最新機種:5%
ひとつ前の機種:25%
とても古い機種:70%

内訳がこうなった場合、アプリのサポート対象に古い機種を入れざるを得ません。
すると、アプリは貧相になり、最新のモデリング技術なども使えません。

最新技術が使えないので、スマホアプリの発展は遅れてしまうでしょう。

※実際には新規端末の値段が上がってもこういう内訳にはなりません(皆が古い端末を持つわけではない)

結局、携帯代は安くなるの?

3社(ドコモ、Au、ソフトバンク)とも多少は安くなるかもしれませんが、激的な値下げは難しいでしょう。携帯料金を節約する観点で言うと、TONEのような月額1,000円の格安スマホに乗り換えるほうが得策です。