ルーマニアには「誰かをその人のスイカからひっぱり出す」ということわざがあるそうです。いくつかの日本のサイトで言及されていました。
ことわざの意味は「相手を激昂させる」だそうです。
しかし、なぜそのような意味になるのかは書いてなかったので調べてみました。
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↓こちらの記事では世界のことわざを紹介しました。
ルーマニア語のscoate din pepeniの意味
ルーマニア語のscoate din pepeniをGoogleで翻訳します。
- scoate→テイクアウト(引っ張り出す)
- din→◯◯から
- pepeni→メロン(スイカ)
確かに、日本語にするとスイカから引っ張り出すです。今度は別の翻訳サイトであるDeepLを使ってみます。こちらは1つの塊で「scoate din pepeni→神経を逆撫でる」になりました。
scoate din pepeniという慣用句が存在するようです。Reverso Technologiesのサイトには以下のような例があります。
Un copil te poate scoate din pepeni.
・ペペニのコピーを解凍します。
・子供があなたをメロンから叩き落とす可能性(激怒させる可能性)があります。
Dragostea ei mă scoate din pepeni!
・彼女の愛は私を狂わせます
Chestia asta mă scoate din pepeni.
・これにより気が狂いそうだ
scoate din pepeniで激昂の意味がありそうです。
なぜ気が狂うほど怒る表現にpepeni(スイカ)を使うのか
大きい果物を表現するため?
これは考えられません。いくらメロンやスイカが大きいとしても、人間が入るほどのサイズではないからです。また、ペペネはキュウリを意味することもあるようですが、キュウリにも人間が入ることはないでしょう。
スイカはスイカ畑を意味している
ルーマニアには、イウリウ・A・ザンネという作家・民俗学者がいます。彼は1855年にトルコで生まれました。1895年から1903年にかけて『ルーマニア人の箴言』という本を書きました。これは、ことわざや格言をまとめた本です。
こちらの本には「自分を侮辱する相手に怒りスイカ畑から出てきた男」という表現が登場します。
どうやら登場人物は3人です。
畑の主人、侮辱する男、盗む男です。
侮辱する男は悪口を言い、畑の主人を怒らせます。主人は畑から外に出ていき、侮辱する男を追いかけます。その間に盗む男が畑に入り、スイカを盗み出します。戻ってきた主人はさらに激昂します。
このように考えると「誰かをその人のスイカ(畑)からひっぱり出す」の意味が通ります。
Din descrieri ale unor astfel de întâmplări, aflăm că este vorba despre anumite strategii: pentru ca amatorii de chilipiruri să poată fura, unii îl provoacă deschis pe cel ce păzeşte pepenii, numai schiţând tentativa de furt, pentru a-i distrage atenţia, şi asupra acestora îşi descarcă furia paznicul, cu atât mai mult cu cât presupune că poate fi şi victima unei manevre.
ziarullumina.ro
参考サイト:Scoşi din pepeni
参考サイト:Wikipedia Iuliu A. Zanne
以上が調べてみた結果です。私はルーマニア語がわからないので正しい保証はありませんが、多分そうなんじゃないかなと思います。